| たむぶん、おすすめ度: |
この小説は、これまでに面白いと思ったSFの巻末解説などで何度も見かけた事があるので、以前から読まなくては、と思っていた。
金星に残された宇宙人の遺物を使って、人類は恒星間飛行を手にするが、その科学があまりにも進み過ぎていて、人類には原理はおろか操縦法も目的地すら分らず、当てずっぽに命を預けるしかない。
よくもまあ、こんなうまい設定を思いついたものだと思う。ヒューゴー、ネビュラ、ローカス賞を総なめしたのも十分に納得いく。サイエンスを使って、見事にフィクションを書き上げている。SF好きには最高の小説だと思う。
ただ、自分は、サイエンスは味付け程度でも何でも良く、ストーリーが面白く、泣けたり笑えたりハラハラしたりスカッとしたりすることの方が重要で、色々と考えさせられるのはめんどくさいタチなので、★五つまではあげられない。と言っても、ストーリーも並よりはずっとしっかりとしているが。
単行本の巻末解説には、話を読み進める楽しみを台無しにするネタバレが無造作に書かれているので要注意。