オイラー方程式の解との関係
円柱の自由回転と伸身宙返りの続きです。これまでの話で、一通り対称軸のある剛体の自由回転について見終ってるので、ここからは補足です。
あちこち(例えば
剛体の回転と Euler の運動方程式)に書かれている、自由回転する剛体を剛体自身から見たときの運動、つまりオイラー方程式の解と、これまでに調べてきた空間から見た解との関係を書いておきます。
自由運動(トルク
)している剛体のオイラー方程式は、
です。ここで、
は、角運動量
を剛体から見た時間変化、
は剛体の角速度です。対称軸のある剛体に対して、慣性主軸を
となるように定め、剛体座標系をこの慣性主軸の方向に取れば、上の方程式は簡単に解けて(解き方は上のリンク先にあるので省略)、解は、
|
となります。
の添字は剛体座標系から見た成分で、
は定数、
です。
の成分をオイラー角で表現すると
|
と書かれます。また、
対称軸のある剛体の自由回転の解は、空間のz軸を角運動量
の方向を向くように定め、オイラー角を使って書くと
|
です。これをオイラー方程式の解と比較し、
とオイラー角との関係を調べます(
は時間
の原点の取り方で変わるので、あまり大した意味がなく、
の方も
の定数倍なのでどうでもいい)。
まず、
に関する式から、
が導かれます。この式の意味は、
オイラー角の時間変化に書きました。これを積分して、
として、
に関する式に入れて比較すれば、
が導かれます。それがどうした、と言わないで下さい。ただの補足なので。