短篇集。前回の
「風よ雲よ」で読んだ全集の残り。
「胡蝶の陣」★★★
「風よ雲よ」の時代より少し前。倭寇に家族全員を殺された主人公が、知恵を使って倭寇全滅を図る。この話は、かなり良かった。★★★★に近い。
「謀略文禄・慶長の役」★★★
「胡蝶の陣」より更に少し前。秀吉の二度にわたる挑戦出兵の時の話。日本刀オタクが高じて日本全般の通になった主人公が、大役を任せられる。最初から捨て駒とも知らず。タイトルは良いのに、内容は物足りず。
「シンカンの若者」★★★
再び、鄭芝龍の時代。オランダに植民化されつつある未開の台湾に住む若者が主人公。この当時のヨーロッパ諸国って、世界中で無茶苦茶な事をやりまくってたと言うのを再認識させられる。現代の価値基準なら絶対に許されないが、当時は罪の意識もなかったのだと思う。多分、自分たち以外は人間と考えてなかったのではないか。