剛体の角運動量とオイラー角
オイラー角の時間変化の続きです。定性的な話は終りで、ここから先は、式ばかりになります。
一般の剛体に対し、慣性主軸に一致するように剛体座標
を定めると、慣性テンソルの成分が
に対角化されます。このとき、角速度
の剛体座標系における成分を
とすると、角運動量
の各成分は、
となるので、角運動量は、
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と表せます。この
はオイラー角
を使うと
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と表すことができます(
Blenderでオイラー角参照)。また、空間座標から剛体座標
への回転を表す行列を
とすると、
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で、
はオイラー角を使うと
と書かれます。ここで、
は、それぞれ、空間のz軸の回りを
回る回転と空間のx軸の回りを
回る回転を表現する3行3列の行列です。一方
なので、空間座標の各成分を地道に比較すれば、
とオイラー角との関係が導かれます。一般の剛体は式が長くなるので省略して、対称軸のある剛体(
)では、
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となります。この式から、対称軸のある剛体では、
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が成立することが分かります。ここまで、まだ、オイラー角の定義を使っただけで、運動方程式も保存則も使っていません。
対称軸のある剛体の自由回転の解に続く