その1からの続きです。
以下では、固定された直行する単位ベクトル
を基底とする空間座標系と、動いている剛体に貼りつけられたベクトル
を基底とする剛体座標系とを考えてオイラー方程式を最初から導き、そのあと、オイラー方程式に現れる「剛体系から見た時間変化」の意味を詳しく見ていこうと思います。この記事は、座標軸の回転と、成分の回転の関係を導くところまでです。
当面、簡単のため、剛体は空間の
軸を中心に、半時計回りに角速度
で回転しているとします。
時刻
で剛体座標軸が空間座標軸に一致している:
|
とした時、任意の時刻
では、
|
によって、剛体座標の基底ベクトルを空間座標の基底ベクトルで表すことができます。行列を使って書くと、
|
となります(
,
と略しました)。
は
軸回りの角度
の回転行列です。
今、任意の時間変化するベクトル
を空間座標軸、剛体座標軸それぞれから見た時の成分を、
と
とします。
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ですが、一方、
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なので、これら二つを比較して、
|
という
軸回りの回転
によって、剛体座標系のベクトル成分が空間座標系の成分に変換されることがわかります。
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11に続く