スマホで読んだ忠臣蔵関係の中短編小説三つ。
・森田草平
「四十八人目」 ★★★
敵討ちの最後の脱落者である毛利小平太の心の内を、ウジウジと書き綴ったお話。同じ毛利小平太の話では、井上ひさしの「不忠臣蔵」の中の「江戸大納戸役毛利小平太」の方がはるかに良かった。
結構な長さだったが、本で読むとどれぐらいの厚みか分らない。又、タイトルの読みは、作者が敢えて「よんじゅうはちにんめ」と読ませたかったのか、単に「しじゅうはちにんめ」の間違えなのかは分らない。サ行の所になくて、探さないと行けなかった。
・菊池寛
「吉良上野の立場」 ★★★
自分に非はないのに世間から悪者扱いされていると考える吉良上野介の心の内を、ウジウジと書き綴ったお話。この話が書かれた時点では新しい切り口だったかも知れない。
・直木三十五
「寺坂吉右衛門の逃亡」 ★★★
同じ敵討ちの同士で有りながら、足軽であるために一人別扱いされる寺坂吉右衛門の心の内を、ウジウジと書き綴ったお話。池宮彰一郎 「最後の忠臣蔵」の寺坂吉右衛門の扱いとは大違い。